とある少年
彼は3年前、前の塾を新規開校した時に小6生で入塾をしてきた。
当時は分数もできない少年だった。
計算ドリルを片手に「先生、分数がわからないので教えてください」と言いに来たことを今でも鮮明に覚えている。
中学生になり、1学期の中間テストでは英語100点など、順調なスタートに思えたが、彼はそこで「これぐらいの勉強で100点取れるんだ」と余裕を見てしまった。
そこからは右肩下がりに成績が落ち中2の冬が一番、点数も彼のモチベーションも落ち込んだ時期だったであろう。
保護者様も父母2名で多い時は週に何回も「どうしたものか」と面談に来られていた。
そんな冬のある日、授業中にLINEをしている彼を叱った出来事を境に彼は変わった。
彼は自ら保護者様に携帯を預け、今まで中途半端にやったり、やらなかったりしていたテキストを中1の最初からやり始めた。
中3の春からは、今まで秋に渡していた高校入試用テキストをやり始め、夏休みの夏期講習中にはそのテキストを少なくとも3周は終わらせていた。
だが、詰めの甘い彼は頑張っているどこかで、ほんの少し「こんだけやったから大丈夫」と余裕があったと思う。
それを思わせるのがテスト直後に聞く予想点数と実際の点数の差が大きいことだった。
高校の進路についても沢山悩んだだろう。
自分の思いと周りからの意見が噛み合わず「なんでわかってくれない」とイライラした時期もあったであろう。
ある日は、どの高校に行けばその後、何があるのか何時間も、何日も話をした。
そこで「だから、あんなに僕のことを心配して沢山話をしてくれたのか。やっと繋がった」と気付いた。
彼は秋からも更に成長した。
そして、決断からの挑戦。
彼は『合格』という勝利を勝ち取った。
志望校合格おめでとう!!!!!!!!!
扉が開くたび、人が通るたびにキョロキョロして全然勉強に集中できていなかった彼の面影はもうない。
目標のために自分は何をしなくてはいけないのか、もうわかったはずだ。
勉強していない時の学習計画と真剣に勉強をしている時の学習計画の差を見れば歴然。
勉強していないときの学習計画は、何の教科が1問何秒、1ページ何分かかるか分かっていないから全然書けていない。
数学の正負の数ありの四則計算でも1分10秒と塾内最速。
今の彼は自信に満ち溢れている。
彼にも、保護者様にも本当に感謝している。
私は、彼と3年間一緒に成長できた。
『今の自分にできることは全部やりきった』
この言葉を今後の人生で何回言えるか
思うような結果が出なかったとしても、そこまで頑張ったことに意味があったと思えるような人生を今後も送ってほしい。
さあ、最終回の学年末テスト
もう、妥協するな。
先生にも、一緒に頑張ってきてよかったと思えるような、とてもいい景色を見せてくれ!
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。