2019年6月14日金曜日

中学生、高校生へ『英語速読』のすすめ

『2019年度 高校入試から見る鍛えるべき力とは・・・』

2020年度から始まる大学入試改革で高校入試にも変化が見られます。

今回の教育改革の目標はグローバル化や予測困難で急速な変化に積極的に向き合い、他社と協働し、また情報や知識を再構築することで新たな価値を生み出したり問題を解決する力をつけることです。
キーワードは『思考力・判断力・表現力』をつけること。
では、その力を見るために英語ではどのような傾向と変化がみられるのでしょうか。2019年度の高校入試をもとに分析していきます。

ここ数年の傾向として次の5つが挙げられます。

①ワード数の増加・長文読解問題の点数比重増
ついに今回、東京が前年比+500語、神奈川が前年比+700語で総ワード数が3000語を超えました。
大阪(C問題)でも2700語と、全国的にみても長文の得点比率は50%を超えているところがほとんどです。
中学生の英文を読む速度は平均50wpmと言われています。
仮に総ワード数を2000語とすると、問題を読むだけで40分かかることになります。ここで問われているのはいかに早く問題を把握し答えられるかという『処理能力』であり、長文対策は必修事項です。

②図表読解問題の増加
文章を読むだけではなく、グラフやイラストなど図表と照らし合わせて正解を導く問題です。
文章中に直接的な表現を使わない場合も多々あり、情報を照らし合わせ矛盾がないか整理、判断する力が求められます。
お金の計算や時間経過を問うもの、地図や掲示物など日常で目にするもの等が取り扱われており、実用的な題材が増えているのも近年の入試傾向です。
考える時間確保のためにも、処理能力を上げることが重要です。

③英作文の変化(条件英作文、自由英作文)
場面に応じた状況から最適な作文を書く『条件英作文』、テーマについて説明したり自分の考えを書く「自由英作文」。
前者はまず、条件を把握すること、その文章内で使われている表現の範囲内で的確に書く力が求められます。
後者は題材の内容把握はもちろん、普段から考えていないといきなり意見を問われても答えることができません。
まさに『思考力・判断力・表現力」を見られる問題です。

④複合問題の登場
まず英語の記事を読んで、そのあと会話を聞いて解答を英語で書きます。
総合的な英語力だけでなく要約する力も問われます。

⑤図表と聞いた内容を照らし合わせて答えるリスニング問題の増加
図表を読み解き、また、全体を聞かなければ答えられない問題が増えています。
ピンポイントで聞き取るといったテクニックが使えなくなってくるので、普段から英語に耳を慣らし、また、最後まで集中して聞けるようリスニングの体力を身につけることが重要です。

『高校入試でも外部試験の活用が進む』
大阪府では取得している英検の級によって英語試験の得点に換算されており、福井県でも所得級で試験結果に+5~15点、加算されます。
全国的にみても、公立・私立、何らかの優遇制度をもつ学校が増えており総合的に英語学習するうえでも積極的に外部試験を受けることも検討しましょう。